2007/12/12

第3回 開催報告

日時:7月29日(日)13:30~16:30
場所:シビックセンター講習室
参加者:9名

第2回「ニューパブリックマネジメント講座」


1.参加者の自己紹介
2.講師挨拶
 3月に開催された図書館の学校のセミナーでの出会いが今日につながっています。私を岡崎に引っ張ってきた理由は、図書館の魅力を上手に発信する戦略を形作ることで、これが今回のプロジェクトの要です。
 NPM(ニューパブリックマネジメント)は、イギリスのサッチャー首相の政策に始まりました。民間企業のノウハウを行政に持ち込むというのがNEWなところです。しかし、行政改革より企業改革の方が簡単です。それは、意志決定に関わる人数が少ないからです。行政での意志決定は、議会や市民お声も反映されるので簡単にはいきません。「やめる」と決めることもなかなかできません。
 とはいえ財源は限られているので、どう有効に使うかということが問題になります。そこで、データを分析して有効なアウトプットを探ることが必要になります。

3.前回の内容からの疑問点
Q:なぜ行政改革は難しいのでしょう?
A:一つには、日本は社会が成熟し、価値が多様化したことですね。行政の役割として価値の調整ということがあります。企業では経済性・生産性を追求され、行政では公平性・安定性が重要視されます。その両立が必要なのですが、税金の使途を議会で考えようとしても、多様な価値観のどこに焦点を当てて具現化すればいいのかが困難です。
 二つめは、市民の行政への関わりが少なくなってきたことです。しばらく前は高度経済成長期で、分業した方が効率よく物事が進みました。そして公共に関することはすべて行政がになうという状況になり、市民の参加機会がだんだん少なくなってきました。公共心が育つチャンスもたなくなってしまいました。
 三つ目は、住民の満足度の問題です。これも価値の多様化のためですね。

4.前回の復習
「図書館」は政治のテーマにはなりにくいのです。「図書館をどうするか?」よりは、「中心市街地の活性化をどうするか?」の方が政治のテーブルにのせやすい。図書館行政に参画していくチャンスが薄い分、発進力を高めていくということが必要になります。

5.今日の講義
<住民の3つの顔>資料NO.17
 住民にも多様性があります。その住民に満足を見ていく視点も多様なので、「利用者」「納税者」「行動主体」という3つの方向を考える必要があります。

<ドラッカーの5つの質問>資料NO.18
 今年度のプロジェクトのゴールとして、金沢の21世紀美術館や静岡県立図書館のような提言書を出すことをめざしましょう。

<図書館の機能>                       
外部機能:「図書館充実のために何をするか?」という問いに対して、「利用者にアンケートをとる」「開館時間を延長する」という答えが返ってきますが、これは、「教育普及」の個々のメニューで、「機能」の充実ではありません。

<顧客基点>資料NO.15
 顧客基点の考え方から利用者にアンケートをとったら、たとえば「ハリー・ポッター」の本を100冊購入してほしいという要望が出ました。これを実行するべきでしょうか?
 「使命」似合わせた判断をして欲しいということです。ふくらむ夢と現実性、実現の可能性をバランスよく考えて戦略化することが重要です。そのために現状分析が必要となります。
 たとえば北欧では、子どもたちの学力向上のために、戦略的に子ども時代から本に親しむ環境作りを進めています。ITと連動させて情報教育も同時に進めています。
 夢を絵に描いた餅で終わらせないために、たとえば「オープン3年間で、貸出冊数を全国レベルにする」といった具体的な数値目標を出しましょう。そのためにも数量的なデータを調査して分析を重ねることが大事なんです。

<プレーヤーの関係性>資料NO.19
 図書館を知らなかった学生でも、ここまで表現できました。

<ヒエラルキー構造の簡素化>資料NO.21
 ヒエラルキーの縦線が多いということは、決定までにハンコの数と時間が必要だということです。
 それを、いきなり簡素化して決定権の委譲が進んだとしても予算はそのままというところでやりにくいのが現状です。意志決定と予算の整合性が必要です。

6.SWOT分析について
  S Strength  (強み) 内部状況から特定した強み 
  W Weakness (弱み) 内部状況から特定した弱み
  O Opportunity (機会) 外部環境から発見した成長機会
  T Threat   (脅威) 外部環境から発見した致死脅威
 これらを4つの窓に書き出して、関係性を見ながら検討を進める。2つのグループに分かれて思いつくままに書き出し作業を行い発表する。

<課題解決型図書館>資料NO.28
 4年前に文部科学省が打ち出した政策。ビジネス支援がはやったが、図書館だけでビジネス支援ができるものではありません。成功例といわれる品川や静岡の場合は、産業館との連帯があって成功しています。限られた資源をどこに振り分けるかを考えると、ビジネス支援よりは地域情報を扱った方が独自性も打ち出していけます。
  
<静岡県立美術館の戦略計画>資料NO.39
 ステップ1でSWOT分析をして、ステップ2で戦略計画を策定しています。「美術館力」を高める5つの方向性を出してまとめてあり、それを元に個々のアクションプランを出しています。これを参考にして岡崎の「図書館力」を考えてください。

<行動のレベル>
① オペレーションと②マネージメントについては、こんなこともやって欲しいという要望をだせばいいでしょう。③ガバナンスと④社会体制支援については、市民が関わってやっていくことです。

<評価指標>
 定点観測をして、たとえば5年後に見直す。評価指標そのものの見直しが必要かもしれません。あるべき姿、立ち位置、軸足についてしっかり話し合うという大前提があってこそ評価指標の作成ができます。
 よそから指標だけを持ってくるからむずかしいんです。フレームで分けて、レベルを考えて多様化していきましょう。

<アウトプット>
 最終的に大々的な発表の場を持ちましょう。最終的には、図書館を核にした生涯学習拠点としての「りぶら」のマネージメント計画として出せるといいですね。

7.次回
 準備会:8月22日(水)かば山文庫:午後7:30~9:00
  今回のSWOT分析で出された意見の裏付けとなるデータを出し合う。
  図書館のあるべき姿について話し合う。
 学習会:9月2日(日)シビックセンター:午後1:30~4:30
  第3回NPM講座:永田潤子氏

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